在レオン日本国総領事館に、青山健郎氏が新総領事として着任されました。青山総領事の使命は、日本企業、在留邦人、日系人の活動を支援することです。
また、長い交流の歴史によって育まれてきた日本とメキシコの友好協力関係をさらに発展させることもミッションの一つです。
青山総領事は、2015年から2018年まで在メキシコ大使館で経済担当参事官を務められました。そして今回、総領事館が管轄するグアナファト州、アグアスカリエンテス州、ハリスコ州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州及びサカテカス州の6州を中心に新たな職責を担うこととなりました。
レオンに到着後、領事館の公式ホームページに掲載された挨拶のなかで、自身の愛読書について興味深いエピソードを披露しています。
「私は総領事として任命された時、愛読書の一つ、遠藤周作の『侍』を手に取り、改めて読んでみました。この小説の主人公は、支倉常長です。彼は、仙台藩主、伊達政宗に命ぜられたミッションを果たすためにメキシコ(当時はヌエバ・エスパーニャ)に派遣された使節団の団長でした。支倉常長率いる使節団に課されたミッションとは、日本とメキシコの間の直接の通商関係を開くことでした。1613年に日本を出発した使節団は船で太平洋を渡り、メキシコ(ヌエバ・エスパーニャ)を訪れ副王に謁見し、さらに大西洋を渡って欧州まで赴き、スペイン国王やローマ教皇に謁見しますが、結局、ミッションを果たせないまま、1620年に帰国します。当時の日本政府、徳川幕府はキリスト教を禁止し、鎖国への道を歩んでいました」
「それから約400年後、「侍」、支倉常長が果たせなかったミッションは、2005年の日本メキシコ経済連携協定の発効という形で実現したと言えるでしょう」
「二国間の貿易額は200億ドルに達しています。また、メキシコに進出している日本企業の数は約1500社に達し、ラテンアメリカ地域では最大です。その半数強が在レオン総領事館の管轄する6つの州で事業を展開しています」
青山総領事は、「新たな気持ちで」「総領事館一丸となって使命を果たすべく」職務を開始します。