両都市はユネスコの世界遺産に登録されており、メキシコで唯一この二重の栄誉を持つのがグアナファト州である。
メキシコは歴史と文化の豊かさにあふれた国ですが、その遺産を隅々まで体験できる特別な場所がグアナファト州です。この州には、グアナファト市とサン・ミゲル・デ・アジェンデ市という、ユネスコの世界遺産に認定された2つの都市があります。グアナファト州は、この二重の世界遺産認定を受けたメキシコ唯一の州であり、メキシコの真髄を探求する人々にとって、見逃すことのできない目的地となっています。

グアナファト州都:歴史、伝説、色彩の迷宮。
16世紀にこの地域の豊かな鉱山資源を背景に築かれたグアナフアト市は、かつてスペイン植民地時代の経済の中心地のひとつとして栄えました。今日では、その独特な建築美、地下トンネルのような街路、そしてあふれる文化的エネルギーによって、世界でも類を見ない魅力を放っています。
カラフルな路地、静かな広場、バロック様式の教会は、愛、闘争、伝統の物語を伝えています。特に有名な「カジェホン・デル・ベソ(口づけの小道)」や壮麗な「フアレス劇場」は必見です。また、グアナファト市はラテンアメリカ最大級の文化イベント「セルバンティーノ国際芸術祭」の開催地としても知られ、毎年世界中のアーティストがこの町に集います。
さらに、「ミイラ博物館」や「アロンディガ・デ・グラナディタス(独立戦争の舞台)」、植民地時代の鉱山など、メキシコの生きた歴史を巡る魅力的な旅が楽しめます。

サン・ミゲル・デ・アジェンデ :植民地時代の優雅さと芸術の魂
グアナファトから車で約1時間の場所に位置する、サンミゲル・デ・アジェンデは、その美しさ、静けさ、そしてボヘミアンな精神で世界中の人々を魅了してきた町です。完璧に保存されたコロニアル建築、芸術に満ちた雰囲気、そしてロマンチックな空気感が、多くの旅行者を惹きつけています。
この町はアーティストやクリエイターたちの隠れ家でもあり、アートギャラリー、工芸工房、趣のあるカフェや、伝統とモダンが融合したブティックホテルなどが点在しています。サン・ミゲル・デ・アジェンデの象徴は、「サン・ミゲル・アルカンヘル教会」で、まるでヨーロッパのおとぎ話に出てきそうなネオ・ゴシック様式の教会ですが、メキシコの魂が宿っています。
さらにこの町は、「サン・ミゲル祭り」や「狂人のパレード」といった、色鮮やかで陽気な伝統行事でも知られており、強いコミュニティ意識と祝い事の文化が今も受け継がれています。