トルタはメキシコ風サンドイッチで、安くておいしいうえに作り方も簡単。多くのメキシコ人が好んで食べるストリートフード。
メキシコでは小学生の子供たちだけでなく、工場や会社勤めの大人もお弁当としてトルタを持っていきます。トルタはメキシコで大人気のランチメニューなのです。
ポルフィリオ時代にフランスパンを真似た「ボリージョ」という食事パンが普及し始めると、それを用いた「トルタ」が誕生します。
トルタはボリージョにいろいろな具材を入れたサンドイッチで、地域によってさまざまなメニューがあります。温かいホットトルタもあれば、冷たいままで食べたり、グリルにしたり調理法もさまざまです。
このように、トルタは調理が簡単なうえに種類も豊富で持ち運びも便利なので、学校や職場でのお弁当、そしてハイキングやスポーツ観戦に、またバス旅行などにも重宝されています。何よりもお腹がすいた時に手軽に食べられるのがトルタの魅力です。
人気のトルタ10選
ハム・トルタ:サンドイッチには欠かせないハムを、半分に開いたボリージョに詰め込み、マヨネーズ(又はサワークリーム)、トマト、玉ねぎ、チーズ、酢漬けハラペーニョをお好みではさむ。
エッグ・トルタ:ボリージョを半分に開いてフリホーレス(煮た豆をペースト状に潰したもの)を薄く塗り、ハムやソーセージ、チョリソー入りのスクランブルエッグ、又はメキシコ風スクランブルエッグ(トマト、玉ねぎ、チレのみじん切りと卵を炒めたもの)を詰める。
おかずトルタ:「ギサド」は煮込み料理や焼き料理などのおかずを意味し、ボリージョに煮込んだチチャロン(豚肉の皮を揚げたもの)や、牛肉の炒めもの、衣をつけて揚げたカツ、チラキレス(トルティージャチップスにサルサをかけたもの)などのおかずをはさんだトルタ。
ワハロタ:メキシコシティ発祥のこのトルタは、ボリージョにタマル(トウモロコシをすりつぶして蒸したチマキのような食べ物)を詰めたもの。
テコロタ:これもメキシコシティで誕生したメニューで、トルティージャチップスをサルサに浸したチラキーレスをボリージョにつめ、上からサワークリームとフレッシュチーズをかける。
ワカマヤ:ボリージョにスナック状態のチチャロンを詰め、フレッシュサルサ(トマト、玉ねぎ、チレのみじん切りをレモン汁で調理)をかける。ワカマヤはレオン発祥のメニュー。
トルタ・アオガダ:ハリスコ州発祥のこの辛いトルタは、ビロテと呼ばれるボリージョに豚肉と玉ねぎをつめ、唐辛子のサルサをたっぷりかけたもの。「アオガダ」は「溺れる」という意味で、サルサに溺れたトルタの意味。
パンバソ:ベラクルス州で誕生したこのトルタは、チョリソーとジャガイモを炒めたものをボリージョにつめ、「チレ・ワヒージョ」(チレの種類についてはココ・メキシコ1-2月号参照)をかけたもの。
キューバ・トルタ:肉、チーズ、パイナップル、ハム、ソーセージ、アボガド、トマト、レタス、サワークリーム、マヨネーズ、唐辛子などが入った具だくさんで人気のトルタ。
スイートトルタ:ボリージョにカヘタ(キャラメルクリーム)やバナナ、バターシュガーなどで甘く味つけしたトルタ。