私がメキシコに到着した当初、メキシコ人は様々な活動に時間を費やしていることが目に留まりました。日本では夜遅くまで働き時間に追われるのが常なので、メキシコへ駐在でやって来た日本人は、メキシコ人が仕事だけではなく他のことにも時間を割いていることに気が付くでしょう。メキシコ人にとって家族や友人と過ごす時間はとても大切なので、それが時間を上手く分割できる理由だと思います。
メキシコ料理と和食はその伝統的な料理法から、共にユネスコの無形文化遺産に登録されています。メキシコ料理で私が好むのはアラチェラのタコス、ワカモレ、ポソレで、反対にアロス・コン・レチェ(米を甘く牛乳で煮たもの)はあまり好きではありません。これはメキシコ人が餡子を好まないのと同じ感覚です。メキシコ人は和食の中ではトンカツやカレーライスが好物ですね。国によって文化や習慣が違うので、慣れの問題だと思います。
グアナファト州には現在2000人の日本人が住んでおり、日本人コミュニティが快適に暮らせるよう配慮してくれているグアナファト州知事、並びに各市長の皆さんにはとても感謝しています。通りには日本語の標識がどんどん増えていることからも、両者の良好な関係、そしてメキシコ人の皆さんが私たち日本人を歓迎してくれている様子が伺えます。
また日本語学習に興味を持つメキシコ人も増加しており、双方が互いに努力して言語の壁を低くしていけるのはすばらしいことです。日本人の友人を持つことで日本の文化、言語、習慣や日本食について更に知ることができるでしょう。
日本とメキシコにはいくつかの共通点があります。例えば、責任感、人を敬う気持ち、家族を大切にするところ、チームワーク、そして予想外の困難な状況に直面した際には、感謝の気持ちを忘れずに結束する点などが挙げられます。
日墨の外交関係は今年で130周年を迎えました。今後更にメキシコの方々が日本に興味を持ち、両国の友好関係が強化されていくことを願っております。