新型コロナウイルス感染症が拡大する中、青柳氏が開発したパルスオキシメーターが多くの人々の命を救ってきた。
パルスオキシメーターは、動脈血中の酸素飽和度を採血なしで連続的に測定できる小さな装置で、新型コロナ感染には欠かせない機器です。
青柳氏は1970年代に、心臓の拍動を利用することで動脈血の酸素飽和度を測定できることを発見しました。
今日普及されているオキシメーターは全て、この青柳氏の発明をもとに開発されたものです。
2007年、世界保健機関(WHO)は安全性を改善するために手術時にはパルスオキシメーターを使用することを義務付けました。
青柳氏は2015年に、米国電気電子学会(IEEE)が医療分野の技術革新に送る賞を日本人で初めて受賞しました。
IEEEは人類社会の有益な技術革新に貢献する世界最大の専門家組織で、毎年医学、生物学、衛生技術などの分野で賞を主催し、授与する活動を行っています。
また青柳氏は2013年に米国麻酔技術会議でも表彰され、この時東京都中野区にある日本光電工業株式会社の青柳研究室長でした。
在メキシコ日本領事も青柳氏の研究について、「人類のためになる技術の発展に大きく貢献された。特に現況のコロナ禍において、青柳氏の発明した装置は感染者の重症化をいち早く察知し、多くの人々の命を救うことにつながりました。」と感謝の意を表しました。
世界中の医師が青柳氏の功績をたたえており、自覚症状に乏しい低酸素血症を早期に察知するパルスオキシメーターは、コロナウイルス感染の治療に不可欠です。
2020年4月に84歳で青柳氏は永眠しました。くしくも世界中の人々がコロナ禍で青柳氏の偉業を認識し始めたときのことでした。