2018FIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会の開催が目前に迫ってきました。サッカーに熱狂するこの国の人々はW杯の時期になるとメキシコ人であることを誇りに思い、距離に関係なく代表チームを応援します。
ワールドカップ開催中には、学校、工場、オフィスでも一時活動を停止して、テレビでの試合観戦は欠かせません。
教室にはスクリーンが設置され、授業を中断して学生たちが代表チームの応援に励みます。同様に職場も小さなサッカースタジアムと化して、メキシコ代表の試合が始まると皆グリーンのユニフォームに身を包んで応援を始めます。
職場で試合観戦が不可能ならば多数の従業員が欠勤する恐れがあるため、経営陣はむしろ試合中2時間中断する方を選びます。
また、従業員が一丸となってメキシコ代表を応援することで、メキシコ人の団結や愛国心の強化などプラスになる面もあります。
このメキシコ人サッカー熱の起源は何百年も昔に遡ります。
メキシコ原住民は「フエゴ・デ・ペロタ」というサッカーに似た球戯を行っていました。この球戯の勝者は神の加護を得ることができると考えられていたのです。
この宗教的な遊戯が形を変えて、現在ではサッカーがメキシコのポップカルチャーの中心となっています。