エウニセ・ メンドサ 私たちメキシコ人は、今大会で自国代表を応援する準備がす でに整っています。超満員のスタジアム、たなびく三色の国旗、緑 のユニフォーム。メキシコ代表の勇姿を見るための熱気に包まれ ています。 しかし同時に、私たちはメキシコ人にとって非常に親しみ深い 「もう一つの代表チーム」を応援する準備もできています。それ は、日本代表です。 メキシコの様々な都市、特にバヒオ地区では、数千もの日本人 家族が「家庭」を築き、コミュニティを作り、新しい帰属の形を見出 しています。彼らは仕事、才能、そして夢を携えてやってきました。 そしてメキシコは、彼らを両手を広げて迎え入れたのです。 レオン在住のミレイさんと夫のアラクさん、そして小さな息子さんは、いよい よ始まるワールドカップで日本代表を応援することを、心待ちにしています。 この繋がりは、単なるビジネスの関係をはるかに超えていま す。私たちメキシコ人は、日本に対して深い親近感を抱いていま す。彼らの規律正しさ、革新性、伝統への敬意、そして文化の美し さに憧れを感じているのです。日本の美食、芸術、テクノロジー、そ して未来を築きながら過去を尊ぶあの特別な姿勢に、私たちは心 を動かされます。 だからこそ、6月20日にモンテレイというメキシコの地で日本 が戦うとき、彼らは単なる「遠征チーム」ではありません。ホーム で戦うチームと同じなのです。日本の選手たちがピッチに飛び出 すとき、私たちメキシコ人は、彼らを地元のチームと同じように鼓 舞し、応援します。 ココ・メキシコも、日本代表の成功を心から祈っています。 ビバ・メヒコ! ビバ・ハポン!(メキシコ万歳! 日本万歳!)
すべての道は日本へと続く
先日、サッカーチーム「クラブ・レオン」の本拠地ノウ・キャ ンプ・スタジアムで、新たなファンに出会いました。K.E. 矢 野さんという日本人ですが、今や彼は「パンサ・ベルデ(レ オン市民の愛称)」の一員です。これは新しい「種」の誕生 と言えるかもしれません。彼はレオンに住み、プエルト・イ ンテリオール工業団地にある企業で働いています。そし て休日は私たちと同じ場所で過ごし、レオンの試合は一 戦たりとも見逃しません。 一昨日、朝食をとるためにレストラン「チリス」へ行く と、すぐ隣で日本人が朝食をとりながら、企業の財務諸表 をチェックしていました。 昨日、打ち合わせの指定場所に向かうと、 そこはアドルフォ・ロペス・マテオス通りにあ る日本総領事館近くのホテルでした。ま た、レオンで初めて「メキシコ全国日系 人大会」が開催されるというニュースも 目にしました。 日本の文化は、いまや私たちの生活 の一部となっています。 探さずとも、至る所で日本的なものに 出会う時代です。驚くべきことに、2026年ワ ールドカップでの日本代表の初戦は、ここメキシ コのモンテレイで行われます。 先週、アカンバロ出身の若者に出会いました。大学を 卒業したばかりの彼は、セラヤのホンダに採用されたそう です。彼はパフォーマンス向上のための研修を受けるべ く、米国への渡航準備に余念がありませんでした。 また先日、「ロス・ニポネス(Los Nipones)」というサッ カーチームにも出会いました。グアナファト州に拠点を置 く企業で働く日本人たちで結成されたチームで、彼らもま た、2026年ワールドカップで日本代表にエールを送るた め、モンテレイへの遠征準備を進めています。 日本の方々は、私たちの社会にすっかり溶け込んでい ます。それは単に異文化と共に暮らすということだけでは ありません。新しい労働習慣を知り、高い品質基準のもと で働くためのトレーニングを受け、高精度で秩序ある生産 プロセスを学ぶことでもあります。日本のコミュニティは、 私たちに多くの素晴らしい教えを残してくれています。
在レオン日本国総領事館、開設10周年
ユニス・メンドーサ 在レオン日本国総領事館が開設されてから、10年 が経ちました。当時、その開設がもたらした大きな 喜びと期待を今でも鮮明に覚えています。それは単 なる外交事務所の設置ではなく、この地域が日本 人コミュニティ、そして両国間の経済・文化交流にお いて戦略的な拠点となったことを公式に認めるもの でした。 10年前、日本人移住者の主な渡航先はメキシコ のバヒオ地域でした。特にグアナフアト州 には、日本の主要自動車メーカーであ るマツダとホンダの2社が進出し、 その後トヨタも進出しました。こ れらの企業とともに数百人の 日本人が移り住み、グアナフ アト州および地域全体に大 きな変化をもたらしました。 それ以来、在レオン日本 国総領事館は、日墨間の投 資拡大や学術・文化交流の 発展を見守ってきました。 また、総領事館の存在によ り、ハリスコ州、ケレタロ州、ア グアスカリエンテス州、サン・ルイ ス・ポトシ州、サカテカス州、そしても ちろんグアナフアト州に至るバヒオ地域 において、私たちはこれまで以上に日本文化を 身近に感じることができるようになりました。 ココ・メキシコとして、私たちはこれからもメキシ コと日本の歩みを伝え続けていきます。両国が交流 し、お互いを理解し合い、共に喜びを分かち合える 場であり続けたいと思っています。 地域とともに歩むさらなる年月を願って。 青山健郎総領事、おめでとうございます。 エウニセ・メンドサ ココ・メキシコ ディレクター
日本へ目を向けよう
パブロ・セサル・ カリージョ アメリカとの貿易戦争により、私たちは新たな活路 を探さなければならなくなった。では、どこに可能性 があるのか。その答えの一つが日本である。 グアナフアト州は、20年前から日本との関係づく りに取り組んできた。 2000年代初め、メキシコの代表団が日本を訪れ、自 動車メーカーの工場を視察した。その後、2005年以 降、州政府は継続的に日本を訪問し、グアナフアト の魅力を積極的にアピールしてきた。2009年にはト ヨタが初めて進出の意向を示したが、実際の進出 までには時間がかかった。 2011年にはマツダが最初の日本企業 として進出。続いてホンダが工場を設 立し、2019年にはトヨタが操業を開 始した。 現在、グアナフアト州は日本の 自動車産業による投資が最も集 中している地域である。これほど 多くの日系企業が集積している 国や地域は他にない。 マツダはサラマンカで年間15万 台、ホンダはセラヤで年間13万台 を生産している。トヨタはアパセオ・エ ル・グランデの工場でで年間27万台を製 造している。 日本はグアナフアト州にとって重要な貿易相手国 であり、同州には自動車関連を中心に220社以上の 日本企業が進出している。関税をめぐる不透明な 状況が続く中、企業に安心感を与え、さらなる日本 からの投資を呼び込むために、リビア・デニセ・ガル シア州知事が日本との関係強化に取り組むことは大 きな意味を持つ。 貿易戦争が始まる前から、グアナフアトは日本を 戦略的なパートナーと位置づけてきた。そして日本 もまた、トランプ政権下で通商環境が揺らぐ前か ら、グアナフアトを有力な選択肢として着目していた のである。
ラサール美術館、2つの特別展を開催
フランシスコ・ロメロによる「カルトグラフィアス」は、絵画やグラフィック作品36点で構成された展覧会です。本展は、空間というテーマを通して、「私たち人類はどこへ向かっているのか」を考えるきっかけを与えてくれます。作者は本展について、「人類の未来を問いかけるための、一種の地図や航海ルートのようなものです」と説明しています。 写真家でダイバーでもあるペドロ・バレンシアによる「ルス・プロフンダ(深い光)」は、海の生態系を支える大切な動物や生物を、海底から撮影した写真展です。「私たち水中写真家には、海の中で起きていることを地上の人々に伝え、そのかけがえのない価値を知ってもらう責任があります」と、ペドロ・バレンシアは語ります。 開催期間「カルトグラフィアス」:6月26日まで「ルス・プロフンダ」:4月24日まで 開館時間月曜日~金曜日 午前9時~午後7時 入場料無料(ガイド付き)
桜とハカランダ―春を告げる二つの色彩
同じ春のころ、地球の両側で街を彩る花があ ります。 日本では桜が、メキシコではハカランダが 咲き誇ります。淡い桃色と鮮やかな紫。色合い は対照的ですが、どちらも春の訪れを告げる 存在です。 日本の桜、特にソメイヨシノは、葉が出る前 に一斉に花を開きます。その姿は華やかであ りながら、どこかはかなさを感じさせます。満 開ののち、花びらは風に舞い、川面や歩道を やわらかく染めていきます。花見の席で人々 は語り合い、卒業や入学といった出会い や別れの思い出にも、桜の風景が重 なります。桜は、季節の花というだ けでなく、日本人の気持ちや人生 の節目と深く結びついた特別な存 在です。 一方、メキシコの通りを紫色に 染めるハカランダは、強い日差し の中で力強く咲きます。小さな花が 房になって枝いっぱいに広がり、青い 空によく映えます。花が散ると、地面は紫色 に覆われ、街全体が明るく華やいだ雰囲気に なります。 桜が「はかなさ」や静かな美しさを感じさせ る花だとすれば、ハカランダは元気さや生命 力を感じさせる花だと言えるでしょう。 メキシコに暮らしてほぼ四半世紀がたった 今でも、春になると日本の桜を懐かしく思いま す。しかし、街に咲くハカランダを見上げるた びに、その寂しさは少し和らぎます。 どちらの花も街の中にしっかりと根づき、人 々の生活の大切な場面に寄り添っています。 色も育った文化も違いますが、花が咲くと、私 たちは思わず足を止め、春が来たことを実感 します。桜とハカランダは、遠く離れた土地 で、それぞれの春を静かに、そして鮮やかに 祝福しているのです
2025年、最高のかたちで
ココ・メキシコでは、グアナフアト州が国内有数の産業拠点としての役割を改めて示した姿を目の当たりにしてきました。特に日本からの投資において、その存在感は際立っています。厳しい世界情勢の中でも、日系企業は同州での事業を維持するだけでなく、拡大・再投資・事業の深化に踏み切りました。日本企業は、今もなおグアナフアト州を信頼し続けています。 この特別号では、二国の文化の懸け橋となり、相互理解を深めるストーリーを引き続きお届けしています。例えば、40年以上の歴史を持ち、外国企業の重要なサプライヤーへと進化したレオンの企業「Artefactos de Hule」、レオンでの新しい暮らし方に変化をもたらしている住宅開発「La Campiña Francesa」、そして3,000万ドル以上の投資による革新的な工業団地「Pocket Park」などについて紹介しています。 ココ・メキシコにとって、バイリンガルな視点からこの歩みを記録し続けることは重要な使命です。そこから生まれる多文化的な理解を通じて、私たちはビジネスや投資のストーリーが単なる経済の話ではなく、人、文化、そして信頼の物語であると確信しています。ようこそ、2026年! エウニセ・メンドサココ・メキシコ編集ディレクター
中国を阻止し、農村が爆発した年
今年は、この二つの大きなテーマによって記憶されるだろう。それは「中国に対する関税」と「農業をめぐる紛争」である。この二つの出来事が今年を象徴した。 2025年は、とりわけドナルド・トランプがメキシコに圧力をかけ、中国製自動車およびその他1,463品目の中国製品の輸入を抑制させた年として記憶されるだろう(関税は2026年1月1日から発効)。この出来事は、国際貿易システムにおける根本的な転換を意味している。 メキシコの決定は、米国政府の圧力により中国製品の輸入を抑制するという点において、ラテンアメリカや世界の他の国々にとっての前例となる可能性がある。 クラウディア・シェインバウム政権によるこれらの関税は非常に重要であり、中国大使館はすでに「米国は世界的な協力を促進し、国際貿易を守る責任を負うべきだ」との声明を発表している。中国大使館はまた、ドナルド・トランプ政権が「一方主義と経済的威圧によって国際貿易のルールを再構築しようとし、失敗したモデルを意図的にラテンアメリカへ輸出している」と主張している。 中国製自動車や、アジア系店舗にあふれる数千種類の商品に“侵入”されてきたメキシコの決定によって、米中間の貿易戦争は、世界的な経済覇権をめぐる争いの新たな段階に入った。 もう一つの大きなテーマは、メキシコ農村の危機である。 数十年ぶりに、メキシコの農民たちが声を上げ、高速道路を封鎖した。 農村の人々は、おそらくクラウディア・シェインバウム政権および「第四の変革」が直面した中で、最大級の社会問題を引き起こした。数千人の農民が複数の州で道路を占拠し、連邦政府との交渉を迫った。 この対立は、実際にはまだ始まったばかりである。メキシコ農村の爆発的な抗議活動は、さらに深刻な段階へと拡大し、メキシコ政府を困難な状況に追い込む恐れがある。解決は容易ではない。メキシコの農村は数十年にわたる放置に苦しんできたため、問題は非常に大規模である。 これら二つの大きなテーマは、2026年においても引き続き重要な課題となるだろう。
Villamedでは、すべての荷物を安全に、時間通りに配送
メキシコ企業「Villamed(ビジャメッド)」は、15年の経験を持ち、総合物流ソリューション、倉庫保管、陸上輸送、宅配・メッセンジャーサービス、貨物保険に特化しています。 「国内および国際的なカバレッジ、24時間365日の追跡技術、そして献身的なチームにより、すべての荷物を自社のものであるかのように大切に扱っています」と、総合物流企業Villamedのディレクター、ハビエル・ビジャマール氏は語ります。 「単なるサプライヤーではなく、配送時間の短縮、コスト削減、そして大切な貨物がエキスパートの手にあるという安心感を求める企業にとっての戦略的パートナーになることを目指しています」。 Villamedは、各顧客の実際のニーズに合わせた、効率的で安全なサプライチェーンの設計を専門としています。 レオン市を拠点とする同社は、165のルート、全国に広がる専門倉庫ネットワーク、自社所有の車両、リアルタイムの追跡技術、そして国内主要宅配業者との戦略的提携により、時間厳守の配送を保証しています。
グアナファト州:トランプが羨む「自動車の工場」
グアナファト州はまさに「巨大な自動車工場」である。47の工業団地と6,000ヘクタールの生産用地を持ち、22万人の労働者が働き、日本、ドイツ、アメリカの自動車を生産している。 ここで生産されている車種は、トヨタのピックアップトラック「タコマ」。 ゼネラルモーターズのピックアップトラック「シルバラード」および「シエラ」。 マツダ3およびマツダCX30。 そしてホンダのピックアップトラック「HR-V」とホンダ「フィット」。 2024年の年間生産台数は89万6千台に達し、グアナファト州はメキシコ最大の自動車生産州となっている。 例えば、シラオにあるゼネラル・モーターズの工場では、1分間に1台のピックアップトラックを生産している。 サラマンカのマツダ工場では1時間に60台の自動車を生産している。 グアナファト州は、アグアス・カリエンテス州やサン・ルイス・ポトシ州と連携し、ラテンアメリカ最大の自動車産業クラスターを形成している。この地域は、ドナルド・トランプ大統領の関税政策によって大きな影響を受けるだろう。 グアナフアト州の自動車工場は22万人の直接雇用を生み出している。 現在、同州ではピックアップトラック、ファミリーバン、高級車、貨物トラックなど、世界基準の自動車9車種が製造されており、主に米国、カナダ、中南米へ輸出されている。 グアナファト州には、アパセオ・エル・グランデのトヨタ、サラマンカのマツダ、セラヤのホンダ、シラオのゼネラル・モーターズの4つの世界トップクラスの組立工場がある。また、日本の日野自動車の大型車工場がシラオにあり、フォルクスワーゲンのエンジン工場もシラオに立地している。そして、フォードの電気モーター工場はイラプアトにある。 グアナファト州には、自動車産業を支える440社の自動車部品メーカーがあり、州内46市町村のうち21市町村に分布している。 かつで世界初の自動車都市として知られた米国デトロイトでさえ、現在グアナファト州のような生産能力を持つには至っていない。