広島県とグアナファト州の友好提携は、湯崎英彦広島県知事のグアナファト訪問で更に絆を深めています。
広島県を拠点とするマツダ社がサラマンカへ進出したことから、その関係強化が始まりました。
1945年に広島に原爆が投下された際、マツダ社の社員数人は鉄道駅に避難することで生き残りました。
その逆境に屈しなかった「向洋(むかいなだ)」として知られる不屈のチャレンジ精神は、マツダ社員の特徴でもあります。グアナファト州には多くの広島県人が在住しています。
今日では広島でマリアッチのコンサートが開かれている一方、グアナファトでは広島名物の料理が食べられるなど、友好関係も深まっています。
1年前に湯崎英彦広島県知事にココ・メキシコの独占インタビューに応じて頂いた際には、グアナファト—広島の友好提携についてお話し頂きました。今回知事のグアナファト再訪問を前に、インタビューから一部をご紹介します。
グアナファト州と広島県のいままでの交流はどうでしたか
友好提携締結から3年の間に,経済交流に加えて,文化,教育交流など,様々な分野で交流が急速に進んでおり,大変嬉しく思います。
友好提携の成果は何ですか
友好提携により,交流が進み,友好と親善の絆が深まったことです。
広島から進出した企業に対して,州の人々に,親近感を持っていただいています。
また,高校生の相互派遣や,セルバンティーノ国際芸術祭への広島の伝統芸能である神楽団の派遣,グアナファト国際フードフェスティバルへの和食料理人の派遣などにより,絆は着実に深まっています。
これらは,市民交流団体である広島グアナファト親善協会(広島県),広島アミーゴ会(グアナファト州)の設立などにつながっています。
経済面でも,州政府が,日本語相談窓口(ジャパンデスク)を設置され,進出企業の御家族の不安解消につながっています。
広島県とグアナファト州で似ているなと感じること,共通点は何ですか
人類史上初の被爆地である広島とメキシコ独立運動の始まりの地グアナファトという,世界平和を希求する象徴であることが挙げられます。さらに,豊かな食文化があること,酒処であることや,世界遺産やプロサッカーチームがある点など,共通点は,たくさんありますね。
グアナファト州の好きなところは何ですか
たくさんあります。友好的で明るいグアナファト州のアミーゴ,豊かな自然,豊かな食文化,おいしいテキーラ,世界遺産をはじめ,歴史的な建物の数々。中でも一番,印象的なものは,訪問する度,暖かく迎えてくださるマルケス州知事をはじめ,グアナファトの人々です。グアナファトは,私の心の故郷です。
グアナファトとの交流は広島にとってどんなメリットがありますか
県民が,メキシコに大切な友人がいることを意識することは,グローバル感覚の養成に向けて,大きな財産です。
また,東京五輪メキシコ選手団の広島合宿の誘致に当たっては,マルケス州知事のお力添えをはじめ,グアナファト州との友好提携は大きな力となりました。
グアナファト州から学んだものはありますか
グローバルな視野をもって企業を誘致,発展しているところは特に見習いたいと思っています。また,地域の文化や歴史を大切にし,子どもたちに伝えているところは,素晴らしいと思います。
グアナファト州との交流を堅固なものにしていくために何かプランはありますか
今後,料理や音楽を通じて,広島県民にグアナファトを知って頂く機会を増やす予定です。また引き続き,息の長い交流のために,将来を担う若者の交流にも力を入れていきます。
メキシコと日本の文化交流についてどう思われますか
文化交流は,お互いを理解し,身近に感じ,絆を深めていくために,大変,意義のあるものだと思っています。広島県も,セルバンティーノ国際芸術祭での神楽公演や,グアナファト国際フードフェスティバルでの和食の紹介などを行い,交流が深まったと思います。また,広島では,親善協会がマリアッチ音楽を楽しむ会を行われるなど,様々な形で両国の文化交流が行われています。今後も,こうした文化交流を継続していきたいと考えています。