今年4月、コロナウイルス感染拡大の状況下で大竹新校長が就任。メキシコへ赴任における最大の課題は、日本の規律を守りながら在留日本人子女のために質の高い教育を維持していくことである。
グアナファト州で新型コロナウイルスの流行が始まり、外出自粛を要請する緊急事態措置が講じられた4月に、グアナファト日本人学校に大竹新校長が赴任しました。
当初は思いがけない状況下で戸惑いもありましたが、日本の新学期(4月始め)を新しい生活様式でスタートし、児童生徒に適切な対応ができるよう努めました。
大竹校長はこれまで38年以上教育活動に携わってきました。イラプアト校では児童生徒が質の高い教育を受けられるよう指導するとともに、グアナファト日本人学校の発展を目指しています。
今回ココ·メキシコでの独占インタビューでは、グアナファト日本人学校での教育プランについて語ってくださいました。
「グアナファトでの滞在はいかがですか?」
こちらに来る前にグアナファトについていろいろインターネットで調べました。到着してからは安心した生活を送れています。感染拡大の影響で思うように外出できないのでもっと地域のことを知りたいとは思いますが、今のところ快適に暮らしています。
「学校の施設を見て驚きましたか?」
以前にも海外の日本人学校で勤務していましたが、病院の跡地を改装した校舎が一つあるだけでした。しかしながら学校として適している建物ではなく、校庭も運動をするには狭い空間でした。
それに比べるとイラプアト校ははるかに優れており、グアナファト州の他の現地校と比較するとそれほど大きくはありませんが、設備もよく整っています。
「日本の学校ではどのような指導経験がおありですか?」
日本では教員、教頭、そして校長としての経験があり、パキスタンの日本人学校でも3年間勤務しました。
「パンデミックの中でこの日本人学校を率いている今の状況は?」
本校には小中学校合わせて52名の児童生徒が在籍しており、現在オンラインで授業を受けています。毎日大きな責任を感じていますが、今一番大事なことは保護者の皆様の協力を得て感染拡大から子供たちを保護することです。
「自粛期間中の授業形態は?」
4月の時点でオンライン授業の準備に入り、5月からZoomを用いてオンライン授業を実施しています。1日2時間の授業から始まり、その後4時間に増加、現在は1日6時間授業で行っています。
各教員がパワーポイントを使って教材を作成し、オンライン授業で提示しています。教員も児童生徒も自宅から授業に参加することで感染拡大防止へとつながり、子供たちの学習レベルを維持することもできます。
体育や美術などのクラスもバーチャルで実施しており、日本国内と同等の教育レベルが保てるように努めています。
「パンデミックにより日本へ帰国した子供たちはいますか?」
はい、12名の児童生徒が一時帰国し、全員が帰って来る予定です。いつ戻って来ても大丈夫なように準備できています。
「いつ頃対面授業は再開できるのでしょうか?」
日本ではほぼ全ての学校で対面授業が再開しています。本校の運営委員会と理事会の承認で決まります。たぶん、州の信号情報 が「緑色」に変更となり、安定的に「緑色」となってからでないと、日本人学校の再開はないのではと考えています。
「日本人学校では、現地の規則に適応すると同時に、日本の規律を守る必要があるのしょうか?」
日本の学校ですから、文部科学省からの指示に従います。しかし在外教育施設ということで、スペイン語会話や英会話などの特別クラスやメキシコ現地校との交流会などの特別な行事も取り入れています。
現在オンラインでの現地校との交流を計画中です。
「新校長への就任に際して一番の目標は何でしょうか?」
私の就任以来、メキシコでの感染状況はあまり改善されておらず、不安な状態が続いています。しかし、オンライン授業で子供たちの健康状態を保つと同時に、各教員が児童生徒の知的レベルが維持できるよう尽力しています。
現在はコロナ禍で厳しい状況ですが、将来的には本校の児童生徒数が増加することを目標に取り組んでいこうと思います。
また国際感覚を持った子供たちを育成するため、メキシコやメキシコ人について良いところを学んでほしいと思います。彼らがメキシコを去るときにメキシコを好きになってくれていることを願います。