新型コロナによる感染拡大は世界中を震撼させる悲劇となった。このパンデミック禍では多くの人々がそれぞれのストーリーを物語っている。
最近の報告書にによると、メキシコには5200万人の貧困層がいるとされています。レオン在住のエステール・サラサールさん(女性・70歳)は、ウチワサボテンを食べてこの過酷なパンデミックを生きのびてきました。
エステールさんはロス・カスティージョスという山間の地域に住んでいます。去年新型コロナ感染が広まって以来、夫(男性・90歳)とともに山へ登り食用の野生ウチワサボテンを収穫しています。
「この状況を乗り切るためにサボテンを売ったり、食べたりしています。サボテンを調理する玉ねぎを買うお金がない日もありました。サボテンに加えて豆類も食べられる日はご馳走でした。」と、エステールさんはメキシコの貧困層に典型的な日干しレンガ建築の家で話してくれました。
数か月後、エステールさんの夫は前立腺がんで亡くなりました。今は隣人に助けられながら一人でこのパンデミックに立ち向かわなければなりません。
同じ集落にも同様に生活に困窮しているアレリ・ゴンサレスさんという女性がいます。彼女の夫はパンデミックが起こってすぐに失業し、子供たちに食べ物を与えるためにエステールさんたちと同じく山へ行ってサボテンを採ったり、近くのダムで魚を釣ったりして食べ繋ぎました。
自然の恵みのおかげでなんとか2週間をしのぎ、アレリさんの夫は靴工場に再就職することができました。
もう一人の隣人、ジェニファー・ベラスケスさんは、自分の洋服を売って食料を買うためのお金に換えています。ジェニファーさんには子供が二人いますが、夫は4カ月間失業していました。苦しみを乗り越えて今は職に就くことができましたが、先行きはまだ不安定な状態です。
このように、パンデミックで窮地に追い込まれながらもなんとか生き延びてきた人々がレオンにもたくさんいるのです。