小さなリンゴのような形をしており、メキシコのクリスマスシーズンに定番の「ポンチェ」という飲み物には欠かせない材料。
テホコテはメキシコとグアテマラの一部のみで栽培されており、マンサニージョという樹高4〜10メートルのトゲが多い木になる果実です。
テホコテの実は丸く、オレンジ色のものから赤っぽい色の実もあり、茶色い斑点がついています。皮は薄くザラザラしていて、実は甘酸っぱい味がします。果実の中心部には種4〜6つからなる芯があり、「テホコテの心」とも呼ばれています。
テホコテの果実は小さいながらも栄養価が高く、繊維、ミネラル、カルシウムを多く含んでいます。そのためビタミンAとCが豊富で、心臓病や糖尿病を発症するリスクを軽減するのに役立ちます。
また、咳、風邪、肺炎、気管支炎、胸痛などの呼吸器疾患の家庭薬として、テホコテのお茶が飲まれます。
メキシコ人は一般的にポンチェ(フルーツティー)に入っている調理済みのテホコテを食べますが、生でもおいしく食べられます。
また、テホコテを使用したリキュール、ワイン、ジャム、そしてアテ(天然果汁と砂糖で調理されたお菓子)などもあります。
テホコテはメキシコの伝統文化と深い結びつきがあり、例えば死者の日には祭壇の飾り付けに用いられ、クリスマスにはポンチェに加えてピニャータの詰め物としても使われます。
旬の時期は10月下旬から1月初旬で、値段は1キロあたり20〜30ペソと実の大きさや購入場所によって違いがあります。果実がオレンジ色になっていれば食べ頃です。