新グアナファト州知事ディエゴ・シヌエ氏は、現在37歳で家族構成は夫人と娘2人、レオン出身で、趣味は馬や自然とふれ合うことだそうです。
ラサジェ・バヒオ大学の法学部を卒業し、グアナファト大学で修士課程を、更にスペインのバルセロナでも専門課程を習得しました。
政党は1991年からグアナファト州の政権を担う、保守派の国民行動党(PAN)に所属しています。
来る9月25日にPANでは6人目となるグアナファト州知事に正式に就任します。
ココ・メキシコのインタビューで新知事は、州の自動車産業が必要としている事、短期目標、そして任期中の日墨関係の展望などについて語っていただきました:
新グアナファト州知事が目指す州政府とは?
私が目指すのはグアナファト州の市民が中心となる政治を行うことです。知識を優先し、創造性、意識改革を怠らずに功績を残したいと思います。
グアナファトがこれまで以上に治安、教育、そして社会開発に優れた州に成長するためには、次のレベルへと進化しなければなりません。
変革の世代である私たちが共に協力することで、新しい歴史を構築するのです。オープンで透明性のある政権を目指し、市民に役立つ前向きな政治を行います。
海外に向けてのグアナファトの印象
グアナファト州では市民と企業が共に投資誘致の為に尽力してきました。その結果、多くの外国企業がグアナファトへと進出しており、海外からも注目が高まっています。同時にグアナファトのローカル企業への支援も継続していきます。
現在グアナファトが世界へと飛躍している歴史的瞬間であり、交通至便でメキシコ経済の中心であることを印象付けたいと思います。
海外投資誘致の為の具体的な短期政策は?
グアナファトはこれまでも経済成長政策に定評を得てきましたが、この新政権では更に進化していきたいと思います。具体的には、目に見える形でグアナファト市民の生活レベルアップに繋がるような、安定した経済成長を目指しています。ですから、選挙キャンペーン中にも発表したように経済成長庁を強化していきます。
海外からの投資誘致もこれまで通り維持していきますが、地元の中小、零細企業の成長に力を入れていきたいと思います。この6年間はMypymes(中小企業)を支援する政権になるでしょう。
自動車産業はグアナファト州の経済成長の柱となりますか?
もちろん大きな柱の一つに違いはありませんが、グアナファトの産業、特にMypymesも住民に多くの雇用機会を与えているので、全ての産業が不可欠だと言えます。グアナファト市民は先見性があり、常に新しい機会を見出してきました。次はまた一歩前進して、単純労働から頭脳労働へと転換していかなければなりません。もちろん自動車製造を継続しますが、次は設計も担うという意識で。グアナファト州には卓越した製造者と創造者の両方が活躍しています。
グアナファトは第二のデトロイトになり得るでしょうか?
ラテンアメリカではここは既に第一の自動車産業クラスターですし、これからも支援は継続していきますが、その他にも靴産業、製造業などが多くあり、サービス業に関しては更に促進していかなければなりません。政策の一つはグアナファトを「メキシコの冷蔵庫」にしていく、つまり現時点では収穫した農産物をそのまま売買していますが、これからは加工食品として売り出して付加価値を得るという計画です。このように第二のデトロイトというよりは、多産業でポテンシャルを発揮したいと考えています。
自動車セクターからのニーズとは?
自動車産業は最も発展した分野の一つなので、これからも継続支援を行っていきます。一方ではこの産業で働く市民の利益を約束すること、もう一方はこの分野の企業をさらに誘致していくことです。
このセクターに勤務する労働者の主な要求は賃金の値上げです。私たちに出来ることを実行し、市民の利益向上に努めていきます。また、人材育成や交通アクセスなどにも力を入れることで、民間企業もしくは政府機関において更に条件の良い雇用機会が得られることでしょう。
企業側のニーズとしては、NAFTAの継続、プロバイダーの発展、人材育成、交通アクセス、そして治安の維持が挙げられます。
このようなニーズの解決策は?
輸出条件が左右するNAFTA、人材育成、治安維持のテーマについては既に取り組んでいます。
キャンペーン中にインフラ・移動・コミュニ—ションを担当する部署を新設することを発表しましたが、これを農産業、サービス業、加工業界、自動車産業に直接繋いでいくことで、これまで以上にスムーズな活動が期待できます。
また、戦略的プロジェクト管理のための中西部地域同盟の構築についてもふれました。これにより、アグアスカリエンテス州、ケレタロ州、ハリスコ州、ミチョアカン州、サン・ルイス・ポトシ州、コリマ州、ナジャリ州、そしてサカテカス州との地域的プロジェクトの発展を目指します。
日本からの投資はグアナファトを成長させてきましたが、日系企業は優先事項だと考えますか?
もちろんです。これまでに私たちは日本人から多くを学びましたし、彼らもメキシコ人から得たものがあると思います。グアナファト州には大きな日本人コミュニティができ、日本領事館、銀行、日本料理店などその影響は様々なサービス業にまで及びます。
ここ数年での日系企業のグアナファト進出には目を見張るものがあります。
日本人の到来はグアナファトにとってプラスでしょうか?
もちろんです。グアナファト市民と日本人は職場で共に働くだけではなく、楽しい時間を過ごしてきました。グアナファト市民として、日本文化の理解を深めることができたのは幸せですし、町のショッピングモールや、サッカー場などでも日本人を見かけたり、自分の子ども達が日本人子女のクラスメートであったり、スーパーに日本食コーナーが設置されたりと、とても興味深いです。特に日本文化、また職場での規律の正しさや効率の良さには学ぶことが多くあります。
そしてこの経済関係の恩恵を受け、今度は日本市場へとグアナファトの産業が進出しています。
グアナファト在住の日本人は治安面で安心しても大丈夫でしょうか?
当然大丈夫です。ですから、日系企業そして他の外国企業のグアナファト進出も続いています。もちろん問題もありますが、これからもグアナファト州の住民全てが安心して暮らせるように、真摯に解決に取り組んでいきます。市民への奉仕・保護が私たち公務員の義務であり、何度も繰り返していますが「強い自治体を目指すには強い警察が必要」です。グアナファト住民のために、治安対策を強化していきましょう。
日本をご存知ですか?
まだ訪れたことはありませんが、その文化や特にテクノロジー分野、そして規律ある組織として世界的リーダーへと発展した過程を、是非とも間近に見てみたいと願っています。
グアナファト在住の日本人コミュニティに一言
グアナファトは日本人の皆さんを温かく歓迎します。ここを皆さんの住処、また学習そして投資する場所として選択してくださったことをうれしく思います。私たちグアナファト住民は日本の文化を知ることができ、日本人の皆さんもメキシコ文化を楽しんでください。
日本とグアナファトはこれまで素晴らしい関係を築いてきました。これからも、文化面、教育面、経済面など様々な局面で互恵関係を発展させていきたいと思います。