毎年10月になると、グアナフアトの街は一変 します。その石畳の通りや路地は、世界中から 集まるアーティストたちを迎える巨大な舞台へと 生まれ変わるのです。これが、メキシコおよびラ テンアメリカで最大級を誇る「セルバンティーノ 国際芸術祭」です。
すべての始まりは1953年、グアナフアト大学 の教授であったエンリケ・ルエラス氏が、街の通 りを演劇の舞台へと変えたことに遡ります。州都 の広場や小道で、ミゲル・デ・セルバンテス・サア ベドラの戯曲に基づく短編劇『幕間劇(ロス・エ ントレメセス)』が上演されました。このプロジェ クトの目的は、芸術を日常生活の中でも体験で きるものとして示し、市民の身近な存在にするこ とにありました。住民全体が一体となって制作に 関わったこの取り組みこそが、のちのセルバンティーノ国際芸術祭の前身となったのです。

やがてこれらの公演は高い評価を集めるよう になり、1972年に第1回「セルバンティーノ国際 芸術祭」が正式に開催されました。現在では、こ の分野において世界で最も重要な4大フェスティバルのひとつに数えられています。
芸術祭の名称は、スペイン文学とスペイン語に多大な功績を残した『ドン・キホーテ・デ・ラ・マ ンチャ』の著者、ミゲル・デ・セルバンテスへのオ マージュとして名付けられています。