パン・デ・ムエルトのレシピは、小麦粉、卵、イース トから始まります。これらの材料をこねた生地を 焼き上げ、仕上げにバターと砂糖を塗ってまぶし ます。こうして完成する美味しいパンは、死者の 日(Día de Muertos)の期間中、すべてのメキシコ人に親しまれ、楽しまれています。
しかし、この味わい深いパンは最初からこのように作られていたわけではありません。今から 400年以上前の先コロンブス期、メソアメリカの さまざまな文化においては、死に関連する儀式 が行われ、故人を称えるための象徴的な食べ物 が作られていました。当時作られていたのは、生 贄として捧げられた人の心をかたどった、アマラ ンサスと砂糖による人形であったと考えられてい ます。

一方、大西洋の向こう側では、スペイン人たち も独自の大切な伝統を持っていました。そのひと つが「パン・デ・アニマス(魂のパン)」と呼ばれる もので、メソアメリカ同様、故人を敬い、偲ぶ目的 で作られた食べ物でした。
スペイン人がメキシコの地に到着すると、双方 の伝統が出会い、時の経過とともに融合していき ました。こうして誕生したのが、混血文化の象徴 であり、私たちが今日目にしているパン・デ・ムエ ルトです。パンの丸い形状は髑髏どくろを、生地 で装飾された筋は骨を表しています。