世界で一番ポピュラーなデザートのバニラは甘くて優しいバニラの花から生まれた
Por Violeta Bermúdez
バニラはメキシコ産の蘭の一種としてとても有名だ。そのバニラの実の細いさやから搾り取ったものがバニラエッセンスだ。
バニラは先スペイン期からベラクルスの北側やプエブラで栽培されており黒い花という意味の“イスリソチトル”と呼ばれていた。先スペイン期からメキシコのインディオはこのバニラの花のエッセンスとカカオをミックスさせたものを飲んでいた。“ショコレトル”と呼ばれていたその飲み物が元祖ホットチョコレートだ。
現在は世界中でデザートや飲み物に使われているバニラエッセンスだが、世界に広まるのはそう簡単ではなかった。メキシコがスペインに征服されてからバニラをヨーロッパでも栽培しようと試みたが何度も失敗に終わった。バニラの花を受粉させるのはメリポナスと呼ばれるメキシコの蜂とハチドリだけだったからだ。300年間メキシコはバニラの唯一の生産地であった。その後 スペイン人は人工的に受粉させることに成功。他の国でもバニラが栽培されるようになってからも一番香りがよく品質が良いバニラはメキシコ産だ。8年前に原産地にちなんでこのメキシコ蘭は“パパントラのバニラ”と命名された。(パパントラはベラクルスのバニラの原産地)メキシコではプエブラ州とベラクルス州の39の市町村でバニラが生産されている。このパパントラのバニラの主な輸出先はアメリカ、カナダ、ヨーロッパでメキシコだけで年間481トンが生産されている。バニラには鉄分、カルシウム、カリウム、リンが含まれている。メキシコではケーキやシェイク、アイスクリーム作りにバニラエッセンスは欠かせない。おいしいメキシコのバニラアイスを食べてみませんか?