労働改革と新自由貿易協定T-MECでの公約によって確立されたように、グアナファト州で労働組合を適法化した企業はゼネラルモーターズだけではない。自動車産業やその他の分野で、すでに300社以上が州内での適法化手続きを行っている。
ゼネラルモーターズは、グアナファト州だけでなく、全国で適法化プロセスを実施した、最大かつ最も重要な企業です。
この事例は、シラオのゼネラルモーターズで労働組合CTM(メキシコ労働組合連盟)が労働協約を失い、現在は独立労働組合であるSINTTIA(全国自動車労働者組合、SME(電力労組)が助言)が新たな契約を勝ち取ったことで注目を浴びました。
メキシコの労働組合主義は、こうした動きによって新たな方向性を見出しています。
歴史上初めて、労働者グループが改革運動を起こし、正当性を求めて27年間続いたCTM契約を拒否する選挙に勝利することができたのです。労働者は従来の組合を追放し、自分たちの組合を結成して会社と直接交渉するようになりました。
労働改革
2019年5月に、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール政権が労働改革を実現しました。
この改正により、民間および政府機関のすべての労働組合は、2023年5月2日までに、労働者が団体交渉協定の承認または拒否を投票する正当なプロセスを経ることが義務付けられました。
この改革は、ロペス・オブラドールがメキシコ大統領に就任して間もなく締結された新自由貿易協定T-MECの調印式で、アメリ政府とカナダ政府からの要請を受けて行われたものです。
アメリカ、カナダ両政府は、メキシコの企業がCTMが運営する雇用者保護契約に支配されている労働者の労働条件を改善する必要があると主張していました。
最終的に、メキシコ政府はアメリカとカナダからの圧力に屈し、T-MECの第23章の協定に合意し、労働改革を実施しました。
その結果、すべての企業が正規の手続きを踏む義務を課されました。
ゼネラルモーターズ(GM)の事例
全国レベルでは、すでに3000近い労働組合が適法化されていますが、PRI(メキシコの正当で70年以上政権を握っていた)の時代につくられた組合であるCTMに勝てたのはわずか12組合です。
ゼネラルモーターズの場合は、メキシコの電力労組のマルティン・エスパルサ書記長が顧問として関与していたため、今回の結果となりました。
彼らは約2年間、会社に潜入し、労働者を説得し、票を獲得するために努力しました。結果として、SME(電力労組)の助言を受けた新たな左派組合が、6500人の労働者を抱える工場の新しい労働条件について、ゼネラルモーターズと交渉することになりました。組合費だけでも年間3000万ペソ以上になります。
この勝利は、マルティン・エスパルサとナポレオン・ゴメス・ウルティアの助言によって実現されました。また、カナダのゼネラルモーターズと労働協約を締結しているカナダの有力労働組合UNIFORのリーダーである、ジェリー・ディアスの支援も得ていました。PAN(2003年にPRIを破った右派政党)が12年で出来なかったことを、MORENA(ロペス・オブラドール率いる与党左派政党)が3年で実現していることを考えると、GM労働者の運動は特別な価値があります。
つまり、これはメキシコにおける新しい左派的労働組合運動の始まりに過ぎないのです。4Tに連なる組合幹部は、ゼネラルモーターズだけの労働改革を目的にしているだけではなく、これはまだ始まりに過ぎません。全ての労働組合の改革を目指すでしょう。