メキシコ人と日本人、
時間の捉え方は平等!?
筆書「現役通訳夫婦が見たメキシコ自動車産業と今後」では多くの共感・納得の声を頂いていますが、本シリーズは著書に書き切れなかったこぼれ話&メキシコ人向けの内容でお届けしていきます。
読む: 第5回:恩知らず
第6回目は「今すぐ/時間の捉え方」です。万人において時間は平等に24時間だとよく言われますが、体感温度が人それぞれ異なるように、時間の捉え方にも国民性が大きく影響してきます。
どの会社でも必ず聞こえてくるフレーズ「今すぐ対応して!」。日本人にとっては上司からこのような指示があれば仕事の優先順位が一番に上がり、他の仕事を止めてでも瞬時に対応する事を意味します。
しかし、メキシコでは「今すぐ」を表す3つの言葉があります、Ahora(アオラ), Ahorita (アオリータ), Ahoritita (アオリティタ)です。通訳を始めた頃は直訳である“アオラ”ばかりを使っていましたが、メキシコ的な感覚でいうとそれぞれ、「今日か明日までに」、「今日中に」、「今すぐ」と捉える事が多いです。通訳をしている人なら苦い経験があるのではないでしょうか。
同じように「月曜日までに」と言うと、日本的には「今週中に仕上げる」を意味する事が多いですが、メキシコ的には「月曜日(終業後の残業も含む)」と理解されますので注意が必要です。
筆者の経験では「今すぐ」と指示した際にメキシコ人の回答は2種類あります、「確認します」と「分かりました」です。前者は弱気で高確率で間に合わないもしくは間に合わせる方法を知らない時、後者は勝算があるか自信がある時です。皆様、多忙とは思いますが、もし弱気発言を感じ取ったらフォローした方が賢明です。