30年以上に渡りメキシコ先住民女性と共に手づくり民芸品を作製する日本人デザイナー
ミチョアカン州でメキシコ芸術と日本の才能が遭遇し、37年前から日本人ファッションデザイナー、コバヤシ・ミノル氏は伝統工芸に従事する先住民職人に助言を与えながら、手作りの美しい衣装を作製してきました。
コバヤシ氏は、ミチョアカン州(グアナファトの南に位置する)農村地域に住む熟練した刺繍の技術を持つ女性達を支援するため、1982年に渡墨しました。
ミチョアカン州政府に雇われ、自身の知識を共有しながらメキシコ人先住民女性の創造力を学んできました。
「私の仕事は、ミチョアカンの伝統工芸を用いて新しいデザインの衣服を作り出すサポートです。流行のスタイルを作製するために原材料を探し、最新の傾向を分析し、他の工芸職人とも競い合います。」とコバヤシ氏はココ・メキシコのインタービューで語ってくださいました。
ミチョアカン州での仕事の拠点は主にモレリアで、ここ数年はウルアパンに移りましたが、常に先住民女性と共に活動しています。
女性職人たちは、衣類全般の品質向上に取り組み、家庭用又は産業用機械の操作も習得し、更に製品の見積りや、マーケットの分析まで出来るようになりました。
一緒に仕事をするようになり何十年経った今でも、コバヤシ氏はミチョアカン女性の才能に驚いていると述べています。
「ミチョアカンの女性は創造力に長けており、様々な独自の技法を使用しています。ここの伝統工芸はとても豊かで、才能に溢れています。」
またコバヤシ氏はメキシコ伝統工芸を賞賛し、尊敬していると言います。
「私は互いの文化の融合には興味がありません。私は独自のデザインで仕事をしていますし、メキシコの文化や伝統を崩すつもりもありません。単に良い仕事をして、私の観点から品質の向上に努めるのみです。」と話すコバヤシ氏は、現在ウルアパンの町で作業場と小さな店を構えています。
「ここではマンタ(綿をベースにしたウルアパン伝統の手織りの布)を製造し、その布を利用して衣類を作製しています。」
コバヤシ氏はメキシコでの生活が気に入っており、メキシコ人先住民女性と共に働くことが彼のデザインのインスピレーションにもなっていると言います。
「職人たちも私に多くのアイデアを提供してくれます。私も勤勉ですし、彼女たちもとても勤勉です。一緒に活動していくにはチームワークが大切ですね。」