ボリージョはメキシコで人気のパンです。トルタと呼ばれるメキシコのサンドウィッチはボリージョで作られ、他にもデザートやモレ・ポブラーノの材料としても使用されます。
ボリージョは小さな楕円形で、フランスパンによく似ています。材料は小麦粉、ベーキングパウダー、水と塩のみで、味はかすかな塩味です。
外側はこんがり焼けてパリッとしていますが、中は白く柔らかい食感です。メキシコではこの中の部分は「ミガフォン」と呼ばれています。
ボリージョは小麦でパンが作られ始めた頃から食されており、値段が安いために当初は貧困層の食べ物でした。しかし現在では全てのメキシコ人がボリージョを食べています。
ポルフィリオ長期政権下(メキシコでポルフィリオ・ディアスが30年に渡って大統領として君臨し、フランスからの影響を多大に受けた時期)に、フランスパン、すなわちパンの表面が硬くて中がふわふわに焼かれているパンを真似てボリージョが作られました。
時が経つにつれて、メキシコのパン屋でも食事パンとしてのボリージョが普及されていきました。
ボリージョにもいろいろな種類があります:
ビロテ
ビロテはこんがり焼き色がついて、棒状の形をしている。長さは15センチから1メートルまでさまざまで、味は少し苦味があるが、甘いものもある。ビロテは主にハリスコ州グアダラハラで生産されている。
テレラ
テレラは白っぽい色で、丸く平たい形をしている。表面も柔らかく、三本線で分けられており、大きさは10〜15センチくらい。「テレラ」という名前は3列、又は楕円形を意味する。
「驚いたときにはボリージョ」
メキシコには「驚いたときにはボリージョを食べる」習慣がある。突然の出来事に驚いたり、怖い目にあった時にはボリージョを食べると落ち着くという言い伝えである。
恐怖に直面すると胃に不快感を感じたり、吐き気を感じたりすることがあるが、ボリージョを口にすることでその症状を和らげる効果がある。