古川佳世子さんは3か月前に在レオン領事としてバヒオ地区に来られました。領事として最も重要な役割は、ここに住む日本人が安全に暮らせるよう働きかけることだそうです。
ココメヒコのインタビューでは外交官としてのこれまでの経歴などについて話していただきました。
お名前をお願いします。
私の名前は古川佳世子と言います。古川が名字で佳世子が名前です。私は豊田という夫と結婚しているので戸籍上は豊田佳世子と言います。古川は私の両親の名字で,外務省では入省してからずっと古川を使っています。よくメキシコ人の方から私の名前(佳世子)の意味を聞かれるのですが,意味は,「より良い世界にする」という意味です。名前に負けないよう頑張らなくてはいけませんね。
ご出身は?
私は,日本の東京出身です。東京で生まれ,東京で育ち,東京の学校を出て東京で就職しました。東京は人も多くて,公共交通機関は混んでいて,大変なところも多いですが,やはりずっと生活してきたので,私は東京の街が大好きです。
これまでの外交官としての経歴は?
私は外務省では経済,経済協力,儀典,領事といろんな分野で働いてきました。在外勤務は,スペインとインド,そして今回のメキシコが3カ所目になります。
在レオン領事就任前のご職歴は?
直近は,領事局外国人課というところで,日本への観光促進のために,ビザの緩和を担当していました。メキシコと日本はとても良い歴史的関係を有しているので,観光目的であれば6ヶ月以内の滞在はビザが不要ですので,とても嬉しいですね。今は,メキシコシティから直行便が毎日飛んでいますし,2020年には東京オリンピック・パラリンピックもありますので,是非沢山のメキシコ人の方に日本を訪問して欲しいです。
その前は,南インドのチェンナイというところで,5年間勤務していました。もちろん,インドは文化も生活もメキシコとは違いますが,1つだけ共通していることは,実はチェンナイも日本企業の進出が進んでおり,チェンナイで知り合った日本企業と方と,またメキシコで再会するという面白いことがおきています。
以前メキシコに滞在されたことはありますか?
私がメキシコに来るのは2回目です。1回目は15年程前にカンクンに来ました。でも,バケーションではないですよ,仕事です!大きな国際会議がカンクンで開かれ,その日本代表団の一員としてきました。ですから10日間ほどいましたが,海には一度も入れませんでした。ここ,レオンには初めてきました。まだ3ヶ月しか経っていませんが,レオンでの生活はとても気に入っています。
グアナファト州における領事の課題とは?
日本企業が加速的に増加し,在留邦人の増加がめざましいここバヒオにおいて,私の一番大事な任務は,在留邦人の方がここメキシコで楽しく生活し,またスムーズにビジネスができるように側面支援を行うことです。
日墨関係改善のために必要なことは何ですか?
今年は,日墨外交関係樹立の130周年の記念すべき年です。このように日本とメキシコは既に長い交流の歴史がありますので,先輩方に感謝しつつ,更にこの良好な関係を継続,更に活発にしていくために,ビジネス交流のみならず,人的交流や文化交流が進んでいくことを願っています。
グアナファト州在住の日本人が直面している問題点は?
今,一番日本人が心配しているのは,治安の悪化です。もちろん,日本人が直接被害に遭う場合もありますが,最近は,ショッピングセンターやコンビニエンスストア等で銃器を使った犯罪が増えていることはとても心配です。幸い,私たちはグアナファト州政府とそういった治安に関する情報交換の場を設けて頂いているので,引き続き州政府と協力しながら,邦人の安全に努めていきたいと思っています。
メキシコ生活に早く順応するために心掛けられていることはありますか?
私は,基本的に柔軟な人間なので,どこにいってもすぐにその生活に溶け込めるという長所を持っています。スペイン語をずっと使っていなかったので,まだまだ勉強が必要ですし,メキシコの文化や歴史をもっと知らなくてはいけませんが,まずは友達を沢山作って,メキシコの生活を楽しみたいです。