サツマイモは日本でも人気の作物です。18世紀の享保の大飢饉で大凶作に見舞われた際、埼玉県を始め全国各地でサツマイモが主食とされ食料不足にも関わらず餓死を逃れました。
それ以降、甘くておいしいサツマイモは日本人に親しまれています。
アメリカ大陸原産のサツマイモは日本へ伝来して以来その気候風土にも適し、急速に日本全土へ普及していきました。
メキシコでも経済的で栄養のあるサツマイモは人気で、甘く煮たり、そのまま蒸したり、塩で味付けしたりして食されます。グアナファト州はメキシコ国内でサツマイモの生産量が最も多い場所で、年中簡単に手に入ります。
サツマイモはジャガイモにも似ていますが、芋よりも栄養価が高くビタミンCや食物繊維が多く含まれています。また、メキシコでは1kg当たり10ペソ〜14ペソと非常に安価です。
メキシコで人気の品種は、紫、黄色、白、赤、野生のサツマイモ、そして丘や山で栽培されるサツマイモもあります。
日本では紅あか、紅あずま、金時などブランド名が付けられているサツマイモもあり、最も代表的なものは赤紫色の表皮に切り口が淡黄色のものです。
メキシコでは蒸したサツマイモに蜂蜜、又はピロンシージョ(アジアではジャガリー糖)をかけて食べるのが最も一般的で、そのほかにもマッシュポテトのように潰して調理します。消化が良いので、子どもやお年寄りにも適しています。
丘の芋、山の芋と呼ばれているサツマイモは、日本ではトロロの材料として用いられる長芋として知られています。
日本人にとってもメキシコのサツマイモは懐かしい味に感じるでしょう。