守るべき優先事項は?
POR SHINYA ANGEL NAKATSUKA
筆書「現役通訳夫婦が見たメキシコ自動車産業と今後」では多くの共感・納得の声を頂いていますが、本シリーズは著書に書き切れなかったこぼれ話&メキシコ人向けの内容でお届けしていきます。
第8回目は「緊急事態」です。はじめに新型コロナウィルス感染症により亡くなられた方々およびご家族・関係者の皆様に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、罹患された方には心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者はじめ、行政の皆様等、感染拡大防止にご尽力されている皆様に深く感謝申し上げます。
今回の未曽有の緊急事態は自動車産業だけではなく全国民の生活を一変し、また刻一刻と変わる情勢・状況に経営陣のトップである事も多い日本人駐在員の方は日々神経をすり減らし、同時に部下や同僚のメキシコ人及びその家族に対して衛生的にも経済的にも配慮が求められる事態です。筆者も例外なく私生活において多大な影響を受けており、一刻でも早く事態の収束、日常への回帰を願って止みません。この苦難を全員で乗り越えていければと思います。
さて、本題に入りますがこの非常事態をメキシコで体験して感じた事は、「メキシコ人の危機管理とポジティブさ」です。先進国も含めて対応方法に絶対的な正解がまだ見いだせていない状況において、メキシコ人スタッフが能動的に行動を起こして、消毒液や除菌ジェル、除菌マットが日が経つごとに増えていきました。聞けばすべて政府から発表されている衛生的環境の推薦対応リスト、近隣工場同士での情報交換からヒントを得たものだと聞きます。
また、実体経済においても日本人駐在員はお互いに体調(過労によるものだと思いますが)が悪くても「休みます」と申し出ない中、ひっきりなしにメキシコ人から「大丈夫ですか?」「休んでください」と気遣いを受けており、彼らも感染リスクがあるかもしれない中でポジティブだと感じました。皆様、絶対にコロナに負けないで!